極域大気の不思議現象
それは大気科学のフロンティア
PANSYはその物理に迫ります
What's PANSY?
南極昭和基地は、気象庁定常観測、極地研を中心とした各研究機関による大気研究観測が精力的に行なわれる、世界的に見ても数少ない総合観測拠点となっています。南極大気は人間活動から隔絶されているためノイズが小さく、地球気候のモニタリングに適しており、また、カタバ風や、オゾンホール、夜光雲、オーロラを始め、顕著で特異な大気現象が多く見られる領域でもあります。日本の南極観測は60年を経て、これまでの中心であった発見的科学観測、環境監視観測から、極域観測においても定量的な議論が可能な精密科学観測へと大きな転換が図られつつあります。
本計画では、このような背景のもと、南極昭和基地に対流圏から電離圏までの広い高度領域の3次元風速やプラズマパラメータを高分解能、高精度で観測できる最新型大型大気レーダーを設置して、2012年から運用を開始しました。これを軸として、既存の観測や相補的な新規電波・光学観測装置を組み合わせて極域大気を多元的に捉え、さらに国際協同による全世界の大型大気レーダーによる観測を実施し、精密数値モデルとも組み合わせて、大気科学のブレークスルーを図ることを目的としています。